水男(ミズオ)
すると突然平野が目を見開いて
中村を見た。


「見えますー見えますよー」


わけのわからない言葉を
突然言い出した平野は


中村の頭の上に手をかざす。


「突然どうしたんですか?


まるで平野さん
インチキ占い師みたいですね」


平野の様子にドン引きの中村。


平野はかまわずに
中村に手をかざし続ける。


「見えます―見えますよー

中村さん。あなた最近
好きな人が出来たでしょ」


「げ!なんでわかったんですか!」


びっくりして思わず本音が出た中村。


その様子を見てにやりとする平野。


「フフフ、ハンドパワーです。
私も超能力を持っているんですよ!」



「マジですか?すごいですね」


驚きを隠せない顔の中村。


すると突然平尾のオフィスのドアを
ノックする音が聞こえた。


マジメな顔に戻って
手に付いたうまい棒のカスを払った平野は


ドアの向こうに声をかけた。


「入りたまえ」




< 120 / 240 >

この作品をシェア

pagetop