水男(ミズオ)
そして高山も
俊介と美里が走り去った


夜の街を歩いていた。


友達からの合コンの誘いも
断った。


はっきり言って行く気がしない。


缶ビールを飲みながら
独りで歩く夜の街。


幸せそうに歩くカップルを見て
若干ムカつく高山。


好きな人はこっちを見てくれないどころか
嫌われているという事実が


頭の中を覆っている。


今日も亜美は口をきいてくれなかった。


ため息をついてベンチに座る高山。


スマホを立ち上げて
ゲームをちょっとやってみる。


ゲームの中の街には
モンスターがあふれていた。


「なんだよ……この街は
モンスターだらけだな」


夜の街で1人でゲームをしている
さみしさをかみしめた高山が


そうつぶやいた瞬間



悲劇は起きた。




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