水男(ミズオ)
亜美はようやく笑顔を
高山に見せた。



高山は亜美の笑顔が
大好きだ。


亜美の柔らかい表情を見て
高山も笑顔になる。


しかし


亜美が言った言葉を聞いて
高山は再び暗い顔になる。


「私にかかわらないで」


いい加減で面倒なことは
大嫌いな高山。


でも亜美のためだったら
何でもできる。


嫌な思いをするのは
分かっていても


亜美に言わずにはおれない。


亜美が危ない目に遭うのは
耐えられない。


だって


好きなんだから。


心の底から
好きになってしまったから。


でも

高山の思いは
亜美には通じなかった。



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