水男(ミズオ)
「高山君は私の心配なんか
しなくていいのよ。


じゃあね……」


亜美が去っていくのを
高山は止めることが出来なかった。



心の中が乱れてしょうがない高山。
嵐の中を歩いているようだ。



このままでは亜美が危ないと言う
言葉だけが


頭の中をグルグRと回っている。


焦りと怒りと悲しみが
同時に襲ってくる、

どうしたらいいんだ?
どうしようもないのか?


亜美が去っていく後姿を見送す高山は
入り混じった心を抱えて


途方に暮れている。


誰かに助けを求めたい。


この嵐を鎮めることが出来る人は
いるのだろうか?


高山がそう思った瞬間


頭の中にしょぼくれた男の姿が
思い浮かんだ。


「そうだ!」


高山は叫んだ。


そして走り出した。



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