水男(ミズオ)
ゲーム上の隅には
女の子が座っていた。


「ここにいる全員
あいつに負けたんだ」



そういってうなだれる常連。


「冗談だろ?あんな小学生に?」


自分も小学生のくせに
高山君はそう言った。


隅に座る子は小学生。
しかも女の子。


高山君は思った。
負けるわけはない。


クラスメート全員を
倒して無敵気分の高山君は


カードのデッキを握りしめ
ゲーム場の隅へと歩いていく。


負けるわけはない。


そう思いながら女の子の前に
立ちはだかった高山君は


叫んだ。


「僕と勝負だ!」


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