水男（ミズオ）

高山君が自動ドアのほうを見ると
そこにはマスクをした女の子が立っていた。



やってきた女の子はちょっと背が低め。
髪の毛が長くてさらさら。


「ちひろ。おまたせ」



「ボク！まってたよ」



さっきから隅に座っていた
ちひろと呼ばれた女の子が


笑顔で言葉を返す。


高山君はますます不思議な気分。


「あいつの名前、ボクって言うのか？」



高山君が不思議がって質問した。


ボク。


本名なんだろうか？
かわいくない名前。


もし本名なら
名付けた親のセンスを


すこし疑う。


「あの子はボク。
私の一番の親友」


そう言ってかわいい瞳の
ちひろはうなづく。


見つめあうボクとちひろ。


高山君はなんだか
段々とイライラしてきた。


「もう2人でもいいから
はやく戦おうぜ！」


高山君にせかされた2人は
見つめあいながら


高山君の正面に
座った。