水男(ミズオ)
「分かったよ……俺が行くよ」


肩を落とす男の子。


しかし亜美は男の子の肩を
ポンと叩いてこう言った。


「一人より二人の方が
早く終わるよ。


私も手伝ってあげる」


亜美の言葉を聞いた男の子は
弱弱しく笑った。


「お前いい奴だな……」


男の子はそう言って
腕まくりをしながら

歩いていった。


「そう言えばあなた
なんて名前だったっけ?」


亜美がそう声をかけると
ずっこける男の子。


「なんだよ!もう三カ月も
一緒に働いてるのに


名前も覚えてないのかよ!

高山だよ!


た・か・や・ま!
覚えたか!」






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