水男(ミズオ)
新人の高山が叫んでいるのを
亜美はまったく聞いていなかった。


なぜなら


亜美の目線の先には
俊介が立っていたからだ。


邪魔な高山を押しのけて
俊介の前に立つ亜美。


俊介の横には
山積みにされたコピー用紙が


横たわっている。


「お手伝いします!」


元気よくそう言った亜美は
コピー用紙を手に持った。


重い。正直重い。


でも亜美は俊介が見ているので
張り切って運んでいく。


高山は張り切ってコピー用紙を持つ
亜美を見つめて

小さく舌打ちをした後


しぶしぶ自分もコピー用紙を
手に持った。




そんな様子をニコニコして
見つめている俊介。


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