水男(ミズオ)
見つめられて焦っていた高山の顔が
みるみる鬼のようになっていく。


「一回聞いて覚えろぉぉ!
僕の名前は高山だぁ!


バカにすんなあ!


僕は高山なんだよ!」


怒っている高山を見て
亜美は笑い転げた。


「ウケる〜


高山くん怒ると
小学生みたいな口の聞き方になってるよ。


さっきまでかっこつけて俺って言ってたのに
怒るとぼくだって!


ははは……


ぼくちゃん?
お水をもう一本飲む?


ははは」


笑い続ける亜美を
高山は睨んでいる。


「仲良く……してね」


俊介も何だか心配そうに
声をかける。


そしてやっと
亜美の笑いが収まった。






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