水男(ミズオ)
俊介は笑顔でこう言った。


「フェンスに風船が引っ掛かっていたので
取ろうとしていただけだよ」


「え……そうなんですか?」


はやとちり。


ちょっとやらかしてしまった感じの亜美は
顔を真っ赤にする。


「でも……俊介さん
恋人の名前を呼んでたから」

俊介は一瞬悲しい
顔をした後亜美を見つめた。


「見てたのか……」


悲しい顔の俊介。


亜美は赤い顔をしながら
思いっきり頭を下げた。


「すいません!なんだか思いつめたような
顔をしていたので気になったから


後を付けてしまいました」




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