水男(ミズオ)
俊介は亜美の白い首筋を
じっと見つめている。


亜美はまた勢いよく
頭を下げた。


「申し訳ありません!

のぞき見するつもりは
なかったんですけど


心配になって……」


俊介は頭を振った。


「俺の方こそ心配かけてごめん」


(首を絞めてうまい水を
早く飲みたい……)


亜美は思いっきり頭を振った。


「俊介さんが謝ることなんてないです!
こちらこそすいませんでした」


一生懸命の亜美の様子に
俊介の顔が優しい顔になっていく。


(絞めたい絞めたい絞めたい
絞めたい絞めたい絞めたい絞めたい
絞めたい絞めたい絞めたい絞めたい
絞めたい絞めたい絞めたい絞めたい
絞めたい絞めたい絞めたい絞めたい
絞めたい絞めたい絞めたい絞めたい
絞めたい絞めたい絞めたい絞めたい
首を絞めたい!)



「し、失礼します」


そう言って立ち去ろうとする亜美の手を
俊介はとっさに掴んだ。


「まって」

そう言って亜美を見つめる俊介。




< 69 / 240 >

この作品をシェア

pagetop