水男(ミズオ)
「もう少し、一緒にいてくれないかな?」


俊介は亜美の背中に抱き付いた。
心臓が高鳴る亜美。


「さびしいんだ……」



そう言って俊介は亜美から離れない。


亜美は自分の身体を抱きしめている
俊介の手を握った。


「私で良ければそばにいますよ。


大丈夫ですよ俊介さん。
絶対真理子さんは……」


亜美はその後の言葉を
続けることが出来なかった。


亜美を自分の方に向かせた俊介は
自分の唇で


亜美の言葉をさえぎったからだ。


驚いた顔の亜美。


しかし亜美はしばらくすると
目をつぶり


俊介に逆らうことは
しなかった。


長い間キスをする二人。



そしてキスをしている時


ずっと俊介の頭の中には
この言葉が渦巻いていた。

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