水男(ミズオ)
熱いキスを交わした二人が
ゆっくりと離れた。


火照った身体を持て余す二人は
潤んだ瞳で

お互いを見つめている。


すると俊介が
小さな声でつぶやいた。


「ごめん」


亜美は首を振る。


「謝らないで下さい」


そして亜美は下を向く。


「なんだか切なくなっちゃうんで」


亜美の言葉を聞いて
俊介は少し笑った。


「なんだか順番が逆なような気がするけど……」


照れたような笑いを浮かべる俊介。


「今度食事でもどうかな?」


今度は亜美が笑顔になる。


俊介を見つめて
頭を下げた亜美。


「喜んで」


< 72 / 240 >

この作品をシェア

pagetop