涙のむこうで、君と永遠の恋をする。
⑤見つけた私の居場所
7月末。
夏の暑さはついにピークに達して、最高気温は40℃を上回った。
「ほのかちゃん、どこかへ行くのかい?」
制服を着て、スクールバックを肩にかけたあたしを見て、おばあちゃんは不思議そうな顔をする。
「うん、友達の補習に付き合うの」
琢磨くんと優真くんに頼まれてしまったし、力になれるならそうしたいから。
そういえば、優真くんに補習助けてって言われたのを思い出しちゃうな。
あの時の必死さに、あたしはクスリと笑った。
「良かった……」
「え……?」
おばあちゃんは、そんなあたしを見て、嬉しそうに笑った。
そんなおばあちゃんに、あたしは首を傾げる。
「よく笑うようになったね、ほのかちゃん」
「そう……かな?」
「おばあちゃんは、ほのかちゃんをずっと近くで見てきたんだよ。うん、ほのかちゃんは笑うようになった」
そんなおばあちゃんの嬉しそうな顔に、あたしは笑顔を向ける。
あたしの不安定な感情に、おばあちゃんを巻き込んで苦しめてばかりだった。
どうにもならないこの苦しみを、あたし自身もコントロールできなくて、辛かった。
でも今は、少し……前より前向きになれた気がする。