涙のむこうで、君と永遠の恋をする。
②少女が見ている茜色の景色
4月、まだ咲き時の桜が舞う季節。
紺のブレザーに黒スカート、緑色のリボンをつけて、始業式を終えた所だ。
高校2年生になり、クラス替えをする事になった。
あたしは、新しい教室に入り、自分の席である窓際の席に座った。
そして、机に肘をついて、その手に顎を乗せる。
ハラハラと舞う桜が、雪みたいだなと思った。
窓から入ってくる温かく心地よい風が、フワリとあたしの肩までの短い黒髪を撫でる。
「ほーのーか!」
「っ!」
すると、目の前に親友の丹田 梨子(たんだ りこ)が竹刀を肩からかけて、あたしに笑顔を向ける。
「……梨子、同じクラスだね」
あたしは小さく笑みを返す。
すると、梨子はあたしの目の前に座った。