涙のむこうで、君と永遠の恋をする。


「みんなに…ずっと話せなかった事があるんだ」


あたしは、1歩前に出て、ゆっくりと深呼吸をする。

そんなあたしの手を、渚くんは何も言わずに握ってくれた。

そんなあたしを、みんなが静かに見守ってくれる。


大丈夫、渚くんが言ってくれた言葉を思いだそう。


『俺もほのかちゃんを知りたいって思ったように、みんなもほのかちゃんの心に近づきたいはずだ』


きっと、そう思ってくれている。


そう信じられるくらい、この仲間は友達を大切にする人達ばっかりだ。


「あたしは、PTSDっていう病気です」


みんなが、一瞬息をのんだ。

だけど、みんなは何も言わない。

きっと、このままあたしの話に耳を傾けてくれるんだろう。

だから、そのまま話し続ける事にした。



「死を意識した経験がある人が、その時の状況を思い出して、フラッシュバックする。それで……パニックになる…」



繋いだ渚くんの手に、勇気を貰って、あたしは俯かず、みんなの顔を見つめながら伝えられた。













< 135 / 233 >

この作品をシェア

pagetop