涙のむこうで、君と永遠の恋をする。
「あたしの場合は……母親の彼氏からの虐待が原因で、あの男に似た人とか、同じような事件をニュースで見るだけでも、パニックになる……んだ……っ」
こうやって、思い出すだけでも、あの時の恐怖に心が捕らわれそうになる。
それは、死をよりも苦しい時間だった。
「梨子は、小学校からずっと一緒だったから知ってるよね」
「うん、ほのかが苦しんでるの…知ってた」
あたしの言葉に、梨子は苦しげに頷いた。
「どこにいても苦しくて、嬉しいとか、楽しいって思える瞬間なんて、1秒も無かった」
そう、生きるために息をして、生きるために感情をもたないように、自分を檻に閉じ込めた。
「ずっとずっと……あたしは生まれた世界を間違えたんだって思ってたんだ」
みんなが楽しく談笑してる中にいるのに、あたしだけが、そこにいない。
あたしを必要としてくれる人。
あたしを見つめてくれる人。
あたしを好きだと言ってくれる人。