涙のむこうで、君と永遠の恋をする。
「どんな形でもいい、傍にいれればって思ってたけどっ…」
あたし、もうお母さんの傍にいれない。
あたしがいる事が、お母さんの苦しみなんだ。
「もう、本当にっ……必要無くなっちゃった、あたしっ…」
「っ……」
渚くんは、あたしを見つめて、苦しげに顔を歪めた。
まるで、あたしより渚くんの方が傷ついているように見えた。
「俺は……ほのかちゃんが必要の無い子供だなんて、思えない」
「家と、渚くんの家は違う!!だから、そんな事言えるの!!分からないよっ……渚くんには!!」
あたしは、渚くんの胸を叩き、項垂れる。
こんなの八つ当たりだ……もう、どんどん嫌な子になってく…。
でも、どこに気持ちをぶつけていいのか、分からないよ…。
「子供に名前をつけるのは、親が子供にあげる、最初の愛情だって、うちの母さんが言ってたんだ」
「え……?」
渚くんの言葉に、あたしは涙でぐちゃぐちゃの顔を上げる。
すると、渚くんの優しい笑顔がそこにはあった。
「ほのかって、名前。それは、お母さんがくれた、ほのかちゃんへの愛情があったからだって思う」
「そんなもの……あるわけ…」
でも、本当にそうだったかな。
お母さんは、お父さんといる時は、よくあたしを抱き締めてくれた。
『ほのか、あなたは私の宝物よ』
それが、口癖だったのを覚えてる。