涙のむこうで、君と永遠の恋をする。


文化祭当日、あたしは座敷わらしをする事になり、渡された着物に袖を通した。


渚くんは、相変わらずあたしを家まで送ってくれてる。

だけど、前のように話や笑顔がつきない帰り道とは違う。

どこか、お互いにどうやって歩み寄ればいいのか、分からなくなっていた。



「ほのか、渚となんかあった?」


更衣室で着替えをしていると、隣で白装束に身を包む梨子が声をかけてきた。


「あ……わかる、かな…」


学校では、いつも通りのあたし達でいるはずだった。

だけど、やっぱりぎこちない空気間はごまかせないみたい。


「あたしが悪いんだ……」


あたしが、歩み寄ろうとしてくれる渚くんを拒絶してしまった。

自分でも分からないけど、ちょっとした事で、あたしは自分以外の誰かを信じられなくなってしまう。


信じたいのに、どうしてって気持ちが、またあたしを責める。


負のループで、それが苦しくて辛い。












< 154 / 233 >

この作品をシェア

pagetop