涙のむこうで、君と永遠の恋をする。
「………?」
首を傾げると、男の子は顔を赤くして、慌ててあたしから離れた。
「だ、大丈夫?体調が悪いの?」
男の子はあたしの体を支えたまま、心配そうに顔をのぞき込んでくる。
「ごめんなさい……大丈夫。助けてくれて、ありがとう」
笑みを返すと、男の子は安心したように頷いた。
「俺、前原 渚(まえはら なぎさ)。君は……」
「篠崎 ほのか」
渚くんは、可愛らしい感じなのに、とても身長が高い。あたしが153㎝だから、たぶん175㎝以上はあると思う。
見上げるのが大変…。
「ほのかちゃん、よろしくね。えと…とりあえず、座った方がいいよ、立ちくらみだろう?」
渚くんはあたしを近くの椅子に座らせてくれる。
優しくて紳士的な人だな…。
それに、すごく優しく笑う。
「おー!?おい、優真!俺たちの姫が何かしてるぞー?」
「なに?渚姫が女の子口説いてるだって?」
先程の双子が、あたしと渚くんを囲むように立つ。
わ……長身に囲まれた…。
なんか、教室が一気に狭くなった気がする。
オロオロとみんなを見上げてきると、双子と目が合った。