涙のむこうで、君と永遠の恋をする。


逃げなきゃ……逃げなきゃっ!!


「うっ……はぁぁっ……はぁっ」


あたしは、朦朧としながら、立ち上がる。

いつの間にか滲んでいた涙が、視界を歪めた。


「お前は、逃げられない」


そして、ゆらゆらと歩き出そうとするあたしの腕を、藤枝 孝が掴む。


その瞬間……。


『早く首閉めろ!!出来ないなら俺がやるから、来い!!』

『っ……いやーっ!!やめてっ……ううっ…』


縄跳びで、あたしの首を絞める藤枝 孝と、幼い頃の自分がフラッシュバックする。


「い、いやぁぁーーっ!!離してっ!!」


あたしは、泣き叫んで、藤枝 孝の手を強く振り払う。

そして、振り返らずに全速力で走った。


真っ暗闇の中を突き進み、教室の出口についた所で、やっと光が見える。


「うっ……はぁっ、はぁっ!!」

ーバンッ!!

「うお!?…って、ほのかちゃん!?」


あたしは、教室の外へ出た瞬間、入り口で客引きをしていた琢磨くんと優真くんとぶつかる。


琢磨くんが驚いたように飛び出てきたあたしを受け止めた。


「どうしてここに?もう交代だっけ?」


優真くんが、あたしの肩に手を置いた。


「っ!!」


その瞬間、パシンッ!!と強く振り払ってしまった。









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