涙のむこうで、君と永遠の恋をする。


そして、ひたすらに階段を登った。

そして、誰もいないだろう屋上前の躍り場でへなへなと座り込む。


「どうしてっ……どうしてっ!!」


あたしは膝を抱えて、しゃがみこんだ。

そして、ギュッと目をつぶる。


「薬っ……薬はっ……」


そうだ、クラスにあるんだった。


何も考えずに出てきちゃった、また、あそこに戻らなきゃいけないなんてっ…。


絶望的な状況に、動く事が出来ずにいると、カツンッ、カツンッとあの靴音が鳴った。


「っ!?」


やだ、やだっ……。

この音、あの男の足音だ!!

どうして、どうしてここが分かったの!?

なんで、あたし達を苦しめ続けるの!!


「ほーのかちゃん、見ぃつけた……クククッ」

「あっ……ぁっ……」


もう、言葉にすらならない。 


ただただ怖くて、あたしは瞬きもせずに、笑みを浮かべ近づいてくる藤枝 孝を見る。






















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