涙のむこうで、君と永遠の恋をする。
「ほのかちゃん、ほのかちゃんっ……」
あぁ、誰かの声。
それに、手が温かい気がする…。
一気に浮上する意識と一緒に、思い瞼を持ち上げた。
「ぁ………」
目を開けると、白い天井が目に入る。
ここ、保健室だ……。
そして、フワリと空いた窓から吹く風が、あたしの髪を揺らす。
「ほのかちゃん、良かった!!」
そして、あたしの右側から、泣きそうな顔で、あたしを見つめる渚くんと目が合った。
あたしの右手……温かいと思ったら、渚くんが繋いでいてくれたんだ。
そんな事を、渚くんの顔を見上げながらぼんやりと考えていた。
「声、声聞かせてっ…」
渚くんは、あたしの手を離さずに、空いた方の片手で、あたしの頬を撫でた。
「渚……く…ん…」
「ああ!本当に良かったっ……ほのかちゃんが無事で!!」
渚くんは、ベッドに横になるあたしを抱き締める。
そして、肩を震わせて、泣いていた。
「泣いて……泣いてるの……?」
ポタポタと頬に当たる水滴が、渚くんの涙だと分かる。
どうして、渚くんが泣いているの…?
あたしは、ボーッと渚くんを見上げ、見つめる事しかできない。