涙のむこうで、君と永遠の恋をする。
「いっそう、お母さんと一緒に……」
あたしは、お母さんと一緒に、寄り添うように静かに死ぬところを想像する。
きっと、楽になれるんだろうな…。
死ぬ事でしか、あの男から逃れる事は出来ない。
「何から間違ってしまったんだろう……」
そう、これも何度も自分自身にといかけていた言葉。
両親の離婚?
あの男との出会い?
それとも、そもそもあたしが生まれた事がいけなかったのかな。
ーコンコンッ
ぼんやりと、そんな事を考えていると、病室の扉をノックする音が聞こえた。
個室だから、用にあるのはあたしだ。
まさか、あの男がまた現れたんじゃ…。
あたしは、恐る恐る扉へと近づく。
そして、震える手で、病室の扉に両手をついた。
「ほのかちゃん……目、覚めたんだな」
「っ!!」
扉越しにかけられた声に、あたしは動揺する。
どうして、来ないでっておばあちゃん言うように頼んだのに…。
すぐ、扉越しに渚くんの存在を感じる。