涙のむこうで、君と永遠の恋をする。


放課後、窓から差し込む夕日の中、あたしはいつかのように掃除当番の渚くんを教室で待っていた。


「前に、渚くんに言われた事、あったな……」


『前に、窓から夕日を見ている事があったよね』


それは、あたしが渚くんと出会って間もない頃。


『ほのかちゃんは、何を見てたの?』


そう言った渚くんに、あたしは…。


『夕日を……見てたわけじゃないんだ』って言ったんだ。


あたしは、窓枠に手をかけて、空いている窓から空を見上げていた。

フワリと吹く風が、あたしの髪を揺らす。


あの時は、早く感情が無くなればいい、死ねたらいい…そんた事ばかり考えてた。


あれから、お母さんとは家族としてもう一度一緒に歩み出した。

あたしは、今までなら考えられなかった、これからの自分の未来について考えてる。


止まったままの時間が、渚くんと出会ってから動き出した。

幸せになりたい、そう思ったら、いつもたどり着く答えがある。























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