涙のむこうで、君と永遠の恋をする。
「なぁーほのかちゃん!渚ってば、女の子みたいだろー?」
「可愛いな、渚」
琢磨くんと優真くんが渚くんに両側から抱きつく。
「離れてくれ!暑苦しいから!」
渚くんはそれでも離れようとしない双子に抱き締められながら、もがいている。
「渚の家、花屋なんだよ」
優真くんがそう教えてくれる。
「あ、優真!バラすなよ!!」
渚くんはそれが恥ずかしいのか、顔を赤くして頬をポリポリと掻いた。
「なら……渚くんに教えてもらいたいな」
きっと、渚くんの方が、先生より詳しいはず。
花屋さんの息子なんだし。
「え、女みたいとか思わない!?」
渚君はあたしにズイッと顔を近づけて、不安げに尋ねてくる。
ち、近い…。
そんなに、重要な事なのかな?
そんな渚くんに、少し身をのけ反らせながら、あたしは小さく笑った。