涙のむこうで、君と永遠の恋をする。
「あ、うん!水はけの良い、乾燥よりの土が良いんだ」
「……渚くん、すごいね」
本当にすごい、渚くんは花の辞典のようで、何を聞いても完璧に回答をくれる。
「そんな風に、これだけはって…思えるモノがあるのが、羨ましいな……」
あたしには……そんなのない。
持ってないから、他人のモノが羨ましくなる。
「ほのかちゃんにだって出来るよ」
「あたしは……」
あたしは、自分にそこまでの価値を見つけられない。
いらないと言われ、ただ言いなりに傷つくことでしか、必要とされなかった。
「っ……はぁっ…はぁっ!!」
まずい、また思い出して……。
やだ、苦しいっ……。
呼吸が苦しくなって、あたしは胸を押さえる。
ドキドキドキドキと、段々と鼓動が早くなった。
ブレーキの無い機関車のように、胸が痛くなってくる。