涙のむこうで、君と永遠の恋をする。
③さよならの涙に決意する
「おはよう…おばあちゃん」
あたしは、2階の自分の部屋から出て、1階のリビングにいるおばあちゃんに声をかける。
「おはよう、ほのかちゃん。ご飯出来てるからね、一緒に食べよう」
おばあちゃんは、机にお味噌汁、肉じゃが、ブリの照り焼きを並べる。
おばあちゃんは、今年で66歳になる。
あたしとお母さんを助けてくれた人。
「いただきます」
「うん、お食べ」
あたしは手を合わせて、朝食に箸をつける。
もくもくと食べるあたしを、おばあちゃんが優しい笑みで見つめている。
お腹、空いてないんだけどな…。
というより、あまり食べる事に楽しみを感じない。
食べないとみんなが心配するから無理矢理流し込むだけ。
『ここで速報です。今日午前2時頃、「子供の泣き声が聞こえる」と近所の通報があり…』
「……?」
テレビから流れるニュースが気になり、あたしは顔を上げる。
画面には、【幼児虐待により、6歳男児死亡】の文字。
ードクンッ…ドクン、ドクンッ
心臓が、早鐘を打つ。
瞬きも忘れるほど、瞳孔も散大するほどにテレビから目が離せない。