涙のむこうで、君と永遠の恋をする。


おかしくなってしまったお母さん。

ヒステリーを起こすあたし。


以前のあたしに戻ってほしい…そんな気持ちが痛いほど伝わってきて、苦しい。


その優しささえ、あたしを追い詰めていく。


「ごめんね、ごめんねほのかちゃん…」


「ごめんね」なんて言わないで。

おばあちゃんの重荷になりたいわけじゃない。

なのに、なのに……そうなってる自分が、大嫌い。



この世界で一番あたしの事を大切にしてくれているおばあちゃんが、なぜだか怖い。


優しくされればされる度に、怯える…どうして?


死んじゃいたい。

あたしがいなければ、誰も不幸にしない、みんな楽になれる。


だけど……そう口にしようとして、言えずに唇を噛んだ。


ープツッ


唇が切れた気がしたけど、構わない。


言えない事が辛い。

だって、言ったらおばあちゃんが悲しい顔をする。


あたしのせいで…。


色んな感情に、がんじ絡めになる。


だから、あたしはそっと息をはいて、感情を感じないように、何も考えないように、心を切り離す。


そう、いつもこうして、あたしは生きてきたんだ。











< 39 / 233 >

この作品をシェア

pagetop