涙のむこうで、君と永遠の恋をする。
『お願いっ……中に入れて!!』
ーバンッ、バンッ!!
あたしは窓ガラスを叩き、何度も泣き叫ぶ。
男はそんなあたしを、窓ガラス越しにニヤニヤと見つめていた。
その後ろに、お母さんの姿が見えた。
助けてもらえる、そう思ってあたしは声をかけた。
『お母さん!!お母さん助けてっ!!』
お母さんなら、絶対助けてくれる。
だって、あたしのお母さんだもん。
そして、お母さんはあたしを見つめて、スッと視線を反らした。
願いは簡単に裏切られ、あたしは力なく窓についていた手をダラリと落とした。