涙のむこうで、君と永遠の恋をする。


心も体もボロボロで、あたしはついにカッターを手に取った。そして、手首に当て、恐る恐る切りつける。


手首に赤い線ができ、そこがらジワリと血が滲み出す。


『怖い…』


生きててもこんなに苦しいのに、死ぬことがまだ怖い。
いつか、そんな死を恐れずに死ねるの?


ガタガタ手が、体が震える。


ポタリと血が手首から指を伝って床に落ちる。
そこへ、またあの男が現れた。


『ククッ、そんな生ぬるいやり方で死ねるわけないだろ』


あたしを嘲笑う男に、あたしはまた絶望する。


絶対、死んでしまった方が楽だ。
なのに、何をまだ恐れてるんだろう……。













< 5 / 233 >

この作品をシェア

pagetop