涙のむこうで、君と永遠の恋をする。
「す、少し御手洗いに行ってくる……」
それが恥ずかしくて、あたしはそそくさと立ち上がった。
「ははっ、行ってらっしゃい」
「う、うん……」
そんなあたしを見て渚くんは笑う。
顔が赤くなって、あたしは御手洗いまで小走りした。
そして、御手洗いまで行くと、男子トイレから人が出てくる。それを避けようとした時に、あたしは息を詰まらせた。
「っ……う、そ………」
ボサボサの髪、三日月のように細くつり上がった瞳。
まるで、まるであの男がここにいるように錯覚する。
「っ……はっ、はぁっ…苦しいっ…」
あたしは胸を押さえ、膝から崩れ落ちる。