涙のむこうで、君と永遠の恋をする。
「……忘れてほしくないけど……」
あたしは、丸椅子から立ち上がる。
そして、ゆっくりとベッドに座るお母さんの目の前に立った。
「ほのかちゃん……」
窓際に立つ渚くんと目が合った。
その忘れな草に、どんな理由があるかは分からないけど…渚くんの事だ。
きっとあたしの気持ちを代弁する何かを、花で届けようとしてくれたんじゃないかなと思う。
「お母さんっ……」
お母さんって呼ぶのは、もう今日で最後にするね。
だから、今だけ許してほしい。
「大好きっ……あたしの、たった1人のっ……」
ポタポタと流れる涙が見えないように、あたしはお母さんをギュッと抱き締める。
その細く小さな背中に手を回して、あたしは泣きながら、お母さんに伝えられなかった想いを伝える。
「……お母さんっ……」
ここに来る度に、何度そう呼ぼうとしたか分からない。