涙のむこうで、君と永遠の恋をする。


「あのねっ……あたし、お母さんの笑顔がまた見たいよっ…」


また、名前を呼んでってずっと願ってた。

まさか、また「ほのか」って呼んでくれるなんて…。


あたしは、嬉しくて、切なくて、ぎこちないけれど、笑みを浮かべた。


「だから………ふぅっ、ううっ…」


涙に、視界が歪んで、呼吸が苦しくなる。


だから、その為なら……。

あたしは、お母さんの世界から消えても良いよ。


「あたしの事……」


あたしは、一瞬口をつぐんで、それから深く息をはく。

そして、体を離して、涙でぐちゃぐちゃの顔で、お母さんの顔を見つめた。 


「忘れてもいいよっ…」


あたしは、なるべく笑顔でそう伝えた。

それに、目を見開くお母さんに、あたしはただ笑いかける。


「さよなら……さよなら、お母さん」


今までありがとう。

苦しい思いをさせてごめんね、望む子供になれなくめごめん。


「これから……っ…よろしくね、由子さんっ…」



これから、あたしはお母さん……由子さんのお友だちでいよう。

娘ではなくて、友達として傍にいる。

たとえ、傍にいる事で、あたしが苦しくなっても、それでもいい。


それでも、どんな形でもいいから……あなたの傍にいたいから。





















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