【改訂版】キスはする。それ以上も。けど、恋人じゃない。
中身は、何となく読まなくても分かるような気がする。
というか、あらかたの内容の予測がついている、と言えるか。
あれ……?でも、何でだろう。
初めてだと思えるのに、どうしてそう感じてしまうんだろう。
疑問は抱いたものの、分かるはずもない事を延々考えるのはあまり好ましくない。
首を傾げてみるけど答えには行き着かず、早々に断念して本を開いた。
あらすじを読んでみれば、どうやら連載された読み物らしい。
1文、2文。1ページ、2ページ。
所々を抜かし抜かしに読んでいてふと、勿体ないなと、途中で初めに戻ってまた最初から読み直す。
ゆっくり丁寧に読み進めて、3分の2程度まで読み終えたところで顔を上げた。
どれくらい経過したのか。
見れば、前に見た時は傾いていた陽の位置が真上辺りに留まり、人や物を照り付けていた。
「もう、昼か…」