【改訂版】キスはする。それ以上も。けど、恋人じゃない。



夏が近付いてるのかもしれない。


窓の外は相当に暑そうだな、とぼんやり考えながら窓の外を眺める。


読んでいたページに適当な紙を栞代わりに挟んで、本を閉じてから大きく伸びをした。



よし、この後は何をしようか。


気を紛らわせるように何となく思案してみるけど、できる事なんてもう周囲にはない。


読書に疲れて閑暇になったことで訪れた、退屈。



暇。うん、すごく暇。


暇、なんだけども……



不意に、思い至った。



私、何してるんだろうな……。


目が覚めれば知らない場所にいて、知りもしない事実を突き付けられて、突然何もかも失くなった現実。


悲しくはない。ほんの少し気になる程度。


けどやっぱり、背けられないのはこれから先の事を考えさせられるからだろうなって思ってしまうためなんだろう。


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