【改訂版】キスはする。それ以上も。けど、恋人じゃない。
仲が良いから、きっと側にいた人だからこそ聞き入れられない事っていうのはあって、それで……
みっともない自分は誰にも見られたくないって、そう思うんだ。
だと、したら私は……どうすればいい?
「俺が言ってどうなんだって話は尤もだけど、今はそっとしとけよ。
あんま刺激すんな………って、おいっ?」
ため息交じりの忠告も、後ろから追いかけてきた制止も、聞こえない。
だって、体はもう動いてたから。
理性なんて追いつかなくて、感情的になるしかない行動は、結局何の役にも立たない事を考えもしなかった。
「……“待て”を覚えないといけねーのはあいつの方じゃんか……。
いつか本当に傷付くぞ……なあ、いいのかよ…?」
困ったような呟きが遠く聞こえていた事にも私は、気付かない。