【改訂版】キスはする。それ以上も。けど、恋人じゃない。



この人の願いも希望も、期待も。


何もかも、掬ってあげる事ができない。


私にはそんな資格がきっとないから。


だから…——




「……め、な…さ……」


無理なんだ。


「ごめ、なさ……っ」


その痛みを分かってはあげられない。


隣に寄り添って、側で背負ってあげる事ができないから。



だから、私は。



「ごめんなさい、ごめんなさい……っ」


ただひたすらに、懺悔の言葉を繰り返す事しかできなかった。


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