【改訂版】キスはする。それ以上も。けど、恋人じゃない。

残酷で優しくて





激しく鳴り響く鼓動を感じて、立ち尽くす。


家の前で深く呼吸を繰り返していた。


首を傾けると、自分の家の隣に建つ小綺麗な家が嫌でも目に入る。


純くんの家はお隣だから、きっと今日も家にいる。




私と純くんは母親同士の仲がとても良い。


旅行好きという共通点を持ち、双親は家に帰ってこない日が年に数回あった。


心配した互いの父親は、仕事の合間を縫って、それに泣く泣くついて行くことも多々ある。



私には純くんがいて、純くんにも私がいる。


何かあれば二人で何とでもするだろう。


子供を置いて行く理由にそれは少しばかり乏しいし、無責任だって思うけど。


本気でそう思い込んでる両親がいるんだから、何も言えない。



なんせ表向きは、どこにでもいる幼なじみという名目の私と純くんだ。


その振る舞いに誰も疑うことなんてない。


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