【改訂版】キスはする。それ以上も。けど、恋人じゃない。
安心しきったうちの親は、家を留守にして子供だけ残して行く。
まさか……
私と純くんの関係が、初めから壊れていたことも知らずに。
最悪なことに今日は、双親の留守と旅行が重なった日でもある。
誰も帰ってこない、互いの家を行き来し放題なんて、純くんには都合が良すぎる状況。
その分だけ、地獄を見るのは誰かなんて、考えるまでもない。
だから私は決まって、親がいない日には彼の目に留まらないよう、細心の注意を払って問題を起こさないようにしているのに。
私に接触する人に制限を付けて、それを超えるのは当然禁句。
どうやら今回も純くんにとって有るまじき行為で、私はその逆鱗に触れてしまった。
今踏み止まったところで、何も変わらない。
初めから選択肢など無に等しいから、私はあの人に逆らえない。
唯一、できることは帰宅を遅らせることくらいで。