【改訂版】キスはする。それ以上も。けど、恋人じゃない。
前々からしていた予感は、悪い意味で当たってしまった。
なのに、どうして……
虚しくなるどころか、妙に納得してしまう自分。
胸には、喪失感を埋められないくらい大きな穴がとっくに空いていて。
だからもう、どうだっていいの、私は。
「お人形はお人形らしく、主人の言うことだけ聞いていないと。
ヒメはいい子だから、この意味……分かるよね」
果たして純くんは、何を思ってこんなことを続けるんだろう。
ねえ、薄ら笑いまで浮かべて楽しい?
そうだよね、いつも楽しんでるもんね。
でもね、どうして。
笑ってる、はずなのに。
どうして純くん、泣きそうなの――…?
不意に、私の体を這っていた純くんの手が離れた。
近くで、カチャカチャとベルトの金具がぶつかる音がする。
あぁ、またか。
また私は、この人に……――