【改訂版】キスはする。それ以上も。けど、恋人じゃない。
―――――――
途中で気を失っていたのか、目が醒めると辺りは真っ暗だった。
どこまで意識を保っていたのか、その辺の記憶は定かじゃないけど、どうも疲れて眠っていたらしい。
起き上がると、純くんがいないことに気が付いた。
部屋を見回せば、辛うじて部屋を照らす、ドアの隙間から漏れ出る光が目に入る。
のそのそと布団から出て、部屋を出ると廊下の電気が付きっぱなしだった。
目が眩んで、半ばくらくらした。
「あ、ヒメ。起きてたんだ」
「……さっき、目が醒めた」
ギィ…と床が軋む音がして、純くんが階段を上ってきた。
適当なジーンズを履いて、無造作にシャツのボタンを締めて着る純くんを見ると、実感する。
また終わったんだな、って。
なんだか、正直なところホッとした気分だ。
「…あ、身体は平気?まだ動かない方が…」
「ううん、いいの。大丈夫だから」