【改訂版】キスはする。それ以上も。けど、恋人じゃない。
図書室の君
翌朝。
どことなく気分が優れない体を鞭打って、のろのろと学校に行く準備をする。
一通り支度ができた後、朝ごはんを食べながらテレビを見ていた。
と、手近に置いた携帯が振動して、メールの着信を告げる。
登録人数もそれほどじゃない上に、こんな早くから来ることは珍しい。
誰だろうな、と首を傾げながら確認する。
「……あ、純くん…」
画面には、要件のみの短い本文が件名なしで綴られていた。
《ごめん、寝坊したから先に行ってて》
へえ、珍しいな…。
純くんが寝坊なんて、どうしたんだろう。
携帯片手にぼんやりしていると、テレビの中でアナウンサーが現在時間を唐突に告げて、入ってきたニュースを報道し出した。
的確な時刻を伝えているのに、つい壁に掛かった時計に目をやってしまう。