【改訂版】キスはする。それ以上も。けど、恋人じゃない。
いつも家を出る、かなりギリギリの時間。
すっかり寛ぎ態勢だった私は、時計をまた確認して朝ごはんもそこそこに家を出た。
学校に着く頃には、登校する生徒も疎らで、遅刻を物怖じしない人たちが堂々と歩いていた。
良かった、間に合った…。
始業まで残り数分。
ほっと胸を撫で下ろして、余裕からか、ゆっくりと教室のドアを開けた。
椅子を引いて席に着くと気が緩んで、周りの声がよく耳に届くようになった。
3列目の前から2番目。
教壇に近い真ん中の席を嫌う人は多いけど、私はそんな事ないと思う。
黒板の見えやすいこの席には結構満足してたりするし、何より勉強熱心な人が前の席に密集してるのもあってか、授業中はとても静か。
別に全然不満なんて感じない。
HRが終わり、またざわつきだす教室。
一日の連絡事項を伝えた先生を見送って、1時間目の準備をする。