【改訂版】キスはする。それ以上も。けど、恋人じゃない。

「そっかそっか、りょーかい。さっすが優等生は違うなぁ」


「からかわないでよ。私なんかより、もっとずっと凄い人知ってるでしょ？」


「……ああ、榎本くん？いやぁ、あれは別格だって。あたしの頭じゃ比べるだけムダムダ。
膨大な知識を詰め込んだ瞬間に大爆発起こす可能性大」



相変わらず冗談が……と、言いかけて口を噤む。


そういえば赤点常習者だったな、と思い出して苦笑した。


……あながち外れでもないかもしれない。



「確かに……」


「ちょーっと？そこ納得するとこじゃない」


「うん、分かってるけど……」



どうも的を射すぎてて、妙に笑えてしまう。


そんな私に気付いたらしい美乃里は、露骨にむくれてそっぽを向いた。


これは、期限を直すのに苦労しそうだと小さくため息を吐いた。