【改訂版】キスはする。それ以上も。けど、恋人じゃない。
普段以上にぐいぐい迫ってくる今日のは、かなり酷い。
流された後の嫌な予感に冷や汗が滲んだ。
さて、どうしようか。
話すにしても実際問題、ここ数日間、どうしてこうまで上の空なのか自分でも分かってない。
かと言ってその間に何か変化が起きたという事もなし。
正直にそれを話してみたところで引き下がらないだろう、彼女のこと。
今以上に追求が深くなるのは目に見えている。
本当に聞いて欲しくない話というのは、即座に察知して聞かないでおいてくれる美乃里だけど、結局のところ、鈍いのか鋭いのか分かったものじゃない。
……仕方ない、と。
一つの選択をして、弁当を食べる速度を上げる。
横で美乃里が何か言っていたような気もするけど、よく聞き取れない。
うん、決して聞こえないふりをしてるわけじゃない。