【改訂版】キスはする。それ以上も。けど、恋人じゃない。


加えて今時っぽい、程よくお洒落な制服の着こなしは、どうにも近寄りがたいチャラチャラとした浮ついた印象を私に植え付ける。



純くんとは真逆の意味で煌びやかな人だな、と遠く思った。


よくも直ぐに気付かなかったもんだと、自分に感心するほどの風貌に、思わず呆気にとられてしまう。



凝視する私の視線に気付いた彼もまた、見た目に違わない緩い態度で応対してきた。


「こーんにちわ。君の事はまぁ知ってるよ、藍名ちゃん。
俺、洸のダチの三村智(ミムラ サトシ)っつぅの。よろしくー」


「……はあ…」


「君ん事こんな間近で見たの初めてだし、つぅかマジ感激だわ。まったく噂通りだねぇ〜。
とりま、俺んこと覚えててくれたら光栄だなあ」



へらりと笑いながらされる、人生で二度はないような自己紹介にまだ正気を保つことは難しい。


何だかすごく意外な気がするな、と。


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