【改訂版】キスはする。それ以上も。けど、恋人じゃない。
「僕はヒメから目を逸らさない、片時も。
逃げてもいい。他の誰かのところに行ってもいいよ。だけど僕はそれを許さないって、ヒメなら分かってるよね?」
自分のモノを管理しようとする、激しくて心が痛くて、辛い、束縛。
治まることを知らない強欲なまでの執着心。
「ヒメの居場所は僕の元しかあり得ない。僕の居場所もヒメの他には存在しない。
どちらかが欠ければ拠り所は失くなるんだよ。だから……
ヒメは僕を一人には、しないよね?」
私達の関係に、最初から意味なんて存在しない。
幼なじみという名目の、一度形を失ってしまえばそれまでの脆い関係。
だけど、それを無意識に避けてきた私達には、切れない糸がきつく絡みついて離れない。
今まで積み立ててきたものに手を加える勇気なんてなくて。
触れてしまったら、一瞬で全部が無くなってしまうんじゃないかって、怖くて。