【改訂版】キスはする。それ以上も。けど、恋人じゃない。
壊したいけど、壊したくない。
だけど……
戻りたくなくて、初めから無かったことにする事ができなくて、ただ目を逸らして、漠然とここまできて。
私は、逃げてただけなんだ。
欲しいものはとっくに手の中になんて無い。
全部無くしてるんだって事にも、気付いてたはずでしょ?
狭間、伺ってきた純くんの優しくて温かい、包容力。
湯気の立つオムライス、少し照れ屋で、眩しいくらいの笑顔が好き。
支えられた事実はある。そう思い込んだ事も…。
私は、それを切り離せない原因にしてしまっていたの?
結局、手練にはまっていたのは私で、中身も空っぽ。
心なんて籠ってない、これも嘘。
だったらもう、期待しない。
もう何もいらない。
培ってきた何もかも、全部、全部、ヒビが入って砕け散る。