【改訂版】キスはする。それ以上も。けど、恋人じゃない。
さも当たり前のように放たれた言葉は、今度こそ明確に、私の胸を鋭い刃で射抜いてくる。
寒い、すごく。心が。
「そんなこと、聞きたいわけじゃない。
私は、純くんにとってどんな存在か……って、聞いてるんだよ……。
……分からない…?」
何がどう違うんだと、純くんの瞳は問い掛けてくる。
……ねえ。
本当に私、馬鹿すぎて……
笑っちゃうね…?
自嘲を漏らしながら、1つ1つ例を挙げてみる。
「家族じゃないよね。恋人なんておかしいし、友達って言ったら違和感するね。
幼なじみは……もう、解消かな」
この人と私の価値観は違うから。
今まで、体を重ねるだけだった私たちの関係。
“幼なじみ”が合言葉。
でもそれだけじゃ、もう……足りないんでしょ?